another sunny day 2018開催を目前にして
10/13(土)に高円寺HIGH開催、b-flower / The Laundries / For Tracy Hydeの3バンドによるライブイベント「another sunny day 2018」がいよいよ目前となってきました。備考として申し上げておきますと、私はDJとして参加いたします。前回は病欠してしまったので、今回はそのようなことがないよう気をつけて望む所存です。
http://eternal59thsecond.wixsite.com/fobld
フリッパーズ・ギターの出現でネオ・アコースティック / インディポップと呼ばれる音楽に目覚めた自分が、レコードショップでその手のキャッチ文のバンド作品を手当たり次第に漁りまくって一喜一憂する中で出会って「これは!」と衝撃を受けたのがb-flower。
初期b-flowerの作品は、それは相当に究極的に内省的な作風。まるで、J.D.サリンジャーやマーク・トウェインに代表される英米小説を読んでいるような歌詞と、その世界観に説得力を与えるようにフィットした八野さんの蒼い歌声が魅力だった、といってよいと思います。ところが、いざライブを観てみると、繊細は繊細なわけですが、そんなナイーブさ故に生じる苛立ち感を発露するように声をふり絞る八野さんの姿がそこにはあり、そのライブステージは一言でいい切ってしまうと、ロック、なわけです。
「変わらないために、変わり続けるんだ」("October Song")
メジャーデビュー以降は、単純にネオ・アコースティックというより、ブリットポップやアイリッシュトラッド、またはバブルガムポップやソフトロック、と幅広く音楽性を開拓していったこともあってか、のちに大ブレイクするスピッツや、故・佐藤伸治の持つゆるさとディープさによりカリスマ的評価を得ていくフィッシュマンズなどと同列で語られながらもなかなかそのファン層を広げていくことができなかった彼ら。
いつしかその活動が収縮していく中で、自分は、実際の彼らの姿を観ることができなくとも残された作品を聴き続けていたわけですが、その間、心の中に残った靄がかった気持ちが消え去ることはありませんでした。
そして。
2013年に八野さんが細海魚・故 岡部亘両氏と、b-flowerとは別ユニットという形でLivingstone Daisy「33minutes before the light」をリリース。それはアンビエントでフォーキーなトラック、四季感が織り混ざったリリカルかつ叙景的な詩が歌われる、静かなるニューカラー・ミュージック。
八野さんが紡ぐ歌詞の切れが全く錆びていないこともあり、自分がこの作品を聴いたときの衝撃は相当なもので、そして率直に思ったのが「これ、b-flowerより売れるんじゃね」。
b-flowerよりも上げ下げの起伏がなくフラットな分、聴き手を選ばずに広い音楽リスナーに受け入れられるんじゃないかなあ、と思ったわけですが、リリース後の八野さんのブログから察するにはどうにもなかなか厳しい様子。そしてここにきて、自分の心の中に幾十にも重なって残っていた靄の層がピークに達します。
そんなときに縁あって、現ムクドリの会メンバーの面々とネット上で知り合うこととなるのですが、そのタイミングと重なるように出会ったバンドがThe Laundries。
Trashcan Sinatrasに対するものすごく愛情と熱量に溢れていたカバーでその存在は知ってましたが、彼らが活動再開するにあたってよく口にしていたのがb-flowerに対するシンパシー。興味を惹かれ、復活作である2nd「Natalie」を聴いてみたら、ネオ・アコースティックを基としたその質実さとポップさも素晴らしかったけれども、何より"音"そのものがものすごく良い。
「これ、インディの音じゃないよなあ」「これは本物だ」
そう思いながらライブを実際に観てみたら、木村氏の感情たっぷりの深みのある声、遠山氏の丁寧かつ切れのあるギターカッティング、そして豊かなリズム感を魅せるテリー・久田両氏のパフォーマンスがやはり本物(テリー氏に関していうと、マイクパフォーマンスも超絶に超舌最高)。
2015年京都でのb-flowerの復活ライブを経たあとは、b-flower / The Laundriesの共演が目指すところとなったわけだけれども、そんな中、b-flowerの活動を支え続けたドラム・岡部亘氏の逝去の知らせが届き、一旦頓挫。
結果としては、現b-flowerのメンバーの方々が故・岡部氏の意志を継いで活動を継続する姿勢をみせてくれたこともあって、2017.12月のb-flower 17年ぶりの東京ライブを敢行することに。念願のThe Laundriesとの競演という最高の形で酸欠状態なほど満員御礼の大成功。
その流れを汲んで、今年もムクドリの会主催で引き続き東京で(しかもFor Tracy Hydeという最高の新世代バンドに参加してもらう形で)ライブを企画することができたわけですが、こういった形で継続し続けていくことは当たり前のことではありますが、そうそう簡単なことではありません。
b-flowerにしてもThe Laundriesにしてもムクドリの会の面々にしても、普段は日常の仕事を持っている人が主。
b-flowerを東京に呼んでイベントをするにあたっては、当然のことながら最低でも、
・箱代
・交通費
・宿泊費
・販促費(フライヤー代・グッズ代)
は確保しなければなりません。
ただ、もちろんパトロンがついているわけではないので、これが見込めないのであれば、継続できないもしくは規模を縮小していくしかないわけであって、これはやはり都度「崖っぷちの戦い」なのですね。
で、この崖から回避するには、結局のところ、b-fowerやThe Laundriesを好きな方たちにはライブに足を運んでいただくしかない。そして、まだその活動を知らない方たちには彼らの存在を知ってもらって、その音を聴いてもらうしかない。
やれることには制限はあるけれども、限界があるわけではない。
2019年、そして2020年。
彼らと再会できる場所をつくり、そしてその場所を守るために。
それには、ひとりひとり、彼らの音楽の素晴らしさをこの世界に広げていくしかないよね。
「未来に果てで きらりと光ってる 花をめざす それだけだね
過去の彼方に 忘れてきたものを ずっと いつも」("時空のバタフライ")
Photo:TOMOKO
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LIVE - another sunny day 2018 -
日時:2018/10/13 (sat) Open 17:30
料金:チケット前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500(ドリンク代別途)
場所:高円寺HIGH
出演:b-flower / The Laundries / For Tracy Hyde
DJ:明山 真吾(ムクドリの会 / Sunday Monday)
主催:ムクドリの会 後援:Sugarfrost、SEEDS RECORDS
チケット発売:
・SEEDS RECORDS ( https://seedsrecords.stores.jp ) (特典付!)
・イープラス( http://eplus.jp/sys/main.jsp )
・高円寺HIGH( http://koenji-high.com/ )
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